弟、時々恋、のち狼

「ラッラはさぁ、どんなこと、覚えてるの?」


なんとなく、とりあえず話しかけてみる。返事は大して、期待せずに。

でも、ラッラの記憶の中でミイがどう思われているのか、興味があった。


「…………アタクシがオボえているのは……ミィとロゥのことばかりですわ」


しばらくの沈黙のあと、意外にも、ラッラはゆっくりしゃべりだした。


「アタクシをミるミイのヤワらかなマナザシ……ごジブンのシメイにオモいナヤむ、ロウのクノウ……」


遠くを見つめながらラッラはクスリと笑う。


「そういえば、アタクシがママゴトアソビでドロダンゴをタべてしまったトキのミイのアワてぶりとイったら!
いつものレイセイさがウソのようで、ミているホウがびっくりしてしまいましたわ」


クスクス


「アタクシがほんのチイさかったころ、アラシのヨルにはワガママをイって、サンニンでネていただいたこともありましたわね」


しみじみと。なつかしそうに思い出すラッラの言葉は、温かくて、思慕の情にあふれていた。

今ならもしかして、ラッラは教えてくれるかもしれない。アタシが気になっていたこと。
言いにくいけど……



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