弟、時々恋、のち狼
「ラッラは、さ……ミィとロゥが体を離れたあと、どうしたの?」
小さな国だったから。
大きすぎる力だったから。
国の内外で、争いは悪化していた。
神にも等しい私たちをめぐって。
長く交わりすぎたのだ、と思う。
つい……人に近寄りすぎたのだ。
「………………もうっ!!なんてデリカシーがないんでしょうっ!!」
とれる策は一つだった。
--去れば、いい。
だから。
ラッラは残された。
だから。
ロゥとミィは…………天に祈り、命を還えした。すべてに背いて。
いつか人なれることを切に望んで。
「ごめんっ」
一気に毛を逆立てたラッラに、反射的に謝った。
やっぱり、触れられたくないほど辛い毎日だったのだろうか。
「………………オボえていません……」
さらなる怒声に覚悟を決めた耳に聞こえてきたのは、淡々としたつぶやき。怒った風でもなく。嘆くようでもなく。