弟、時々恋、のち狼
近くにあったパフェを手繰り寄せ、一口、含む。
「あ、美味しい」
単純なもので、美味しい物を食べると、幸せな気分になる。
思わず笑みをもらせば、ツカサも満足そうな笑みを見せる。
「ミフウには笑顔が似合う」
「なっ」
突然の言葉にゴホッとむせた。
「真っ赤だ」
言われるまでもない。
と、言うか、普通、気付いたって言わないのに。
ツカサといると、ペースが狂う。
「…………意地悪、だよね……」
「何を今更」
勇気を振り絞って言ったのに、あっさり事実として肯定されてしまった。
ロウとは、大違い。
素直じゃないし、何考えてるのかさっぱりわからない。
「ツカサくんはさ……なんで、ミィに執着するの?」
気になっていたこと。
失礼かな、と思ったけど、こんな時じゃないと訊けない。
それに、この柔らかな雰囲気なら、訊いてもイイ気がした。
ティーカップに手を伸ばすと、ツカサはすっと細めた瞳でこちらを見る。
機嫌、悪くしちゃったかな……。