弟、時々恋、のち狼
濃霧 のち 竜巻


絶えることない悲鳴。
大切な友人たちの泣き声が、あたりにこだましている。

物の壊れる音。

怒声。


「ミィ!!」
「ミフウ!!」


ほぼ同時に声がした。

立ち尽くしていたアタシは、弾かれたようにそちらに駆け出す。


「助けて!!」


もう、アタシ一人じゃどうにもできない。


机の角にミサンガがひっかかって、左腕が引っ張られた。考える間もなく強くふると、わずかな抵抗だけで細い糸の束が切れる。


「ツカサ!!」





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