弟、時々恋、のち狼
ふっ、と縛るものがなくなって……肩が、体が自由になった。
アタシは、ほっ、と息をつく。
絶対、面倒なことになると思った。
こんなにあっさり、わかってもらえて、ホント、嬉しい。
「ごめんね、勝手なこと言って」
なぜかニヤリと笑ったツカサに、アタシも感謝の笑顔を向ける。
良かった。これで、ロウにも面目が立つ。
「何日もつかな?」
不適な、微笑み。
何が?と仰げば、ツカサは、悪戯を仕掛けた子どものような顔をしていた。
「しばらく好きにするといい。きっとあっさり気付くよ」
とたんに、不安が胸に広がった。
「ミフウは必ず求める。オレなしじゃ生きていけないと思い知る」
どうせ勝手なはったりだ、と思うのだけれど、胸騒ぎは増していく。
「それって……」
どういう意味?
やはり気になって、訊いてみようと、少し前に出たツカサに並んだ。
と。
「今日は休む」
突然、くるりときびすを返した。
「休むって……学校?行かないの?」
アタシは自慢じゃないけど、ズル休みなんてしたことがない。
信じられない思いで見れば、また、ツカサはニヤリと笑う。