弟、時々恋、のち狼

「ぃやぁっ」


すがりつくようにこちらを見つめる、目、目、目。
数え切れないほどの……。


「ぁああああっ!!」


追いつめられた自らの叫びに呼応して、体が膨れ上がっていく。


恐怖と、充満した怨みで、もはやアタシの意識は塵ほどにしか感じられなかった。
熱く、重いものが身の内から湧き出るのをかすかに感じる、そんな程度。


長い、長い、時間。


しかし、きっとそう感じたのはアタシだけ。
この場に居合わせたみんなにとっては、理解する間もない、一瞬のこと。


何かが、アタシの中の何かが、爆発した。



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