弟、時々恋、のち狼
「オレはミィの力で、オレたち二人だけの世界を作った。この世界すべて、そのためにだけ、ある」
なのに、他の生命がいる。
「これはミフウが作ったのか?それとも、連れて来た?」
とにかく、オレにはわからない。
この世界に余計なものだ。そう言いながらも、ツカサの表情は優しい。
小さな動物たちを、愛おしげに見つめている。
「アタシ……ごめん。わからない」
心当たりはない。
そもそもここがどこで、どうやって作られたかも知らない。
連れてくるも作るも何も、アタシは正直、ついさっきまで引きこもってたのだから。
自分以外のことに、やっと今、意識が向き始めたのだ。
「ラッラは、小さな動物が好きだった」
ふいにツカサが話し始めた。