弟、時々恋、のち狼

「ごめ…………」


急激に込み上げてきた吐き気に、ツカサを振り解く
よろよろと道の端に座り込んだとたん、泣けてきた

違うよ……

心配そうにこちらを見るツカサに問いかける


「ここ……どこ……?」


アタシの世界じゃない
これは、何……?


ツカサの端正な顔が憂いを帯び、悲しげに曇った
そして……
クリームをとかすかのようにじんわりと、辺りの景色が溶けていく
空が、建物が、地面が、すべて平坦なクリーム色へと変わっていった


何が起こっているのか、よくわからない

けれど、するべきことは明確
すべてを元の世界に戻すこと

アタシの愛する相手は、あちらにしかいないから





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