弟、時々恋、のち狼
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にぎやかな1日は、午前授業であっという間に終わった。
1時間目に体育館のステージで部活紹介があったから、やる気のあるヒトたちは食堂でお昼を済ませたあとに部活見学に行くらしい。
でも、アタシは、さっさと帰るその他大勢のうちの一人だった。
「美ぃ風~!」
帰り支度を整え終えた時、詩織が宣言通り、顔を出した。
「転入生、どこ!?」
廊下に出たアタシにしがみつき、ミーハー根性丸出しの小声でわめく。
「……帰った」
彼、江藤司(エトウツカサ)くんは、朝にほんのちょっとクラスに来ただけで、すぐに帰ってしまった。