弟、時々恋、のち狼
「あ……あの……えっと……」


どうしよう……。


ただでさえ男の人と話すのはちょっと苦手なのに、こんなにカッコイイんじゃ緊張して何も言葉が出てこない。


「会いたかった!!」


言うが早いか、アタシはふいに、目の前に影がおちるのを感じた。


「……や……ちょっ……!」


気付くとアタシは、彼の腕の中、すっぽりと抱きしめられていた。


ドサリ……と持っていたバックが落ちる。


びっくりしてふりほどこうとするけれど、見かけよりたくましい腕はびくともしない。


やだ……なんなの……!?


顔が真っ赤に、熱くなっていくのがわかる。
産まれて15年、彼氏どころか、男の子と手すらつないだこともないのに。


「ずっと……ずっと探してた……。こうしたかった。
愛してる」


…………は!?


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