弟、時々恋、のち狼

………………?


ふと、グルグル回る頭を何かがよぎった。

デジャヴ。
……じゃぁない。


そうだ。

こんなこと、昨日も、思った……。


「あ、あ……の……」


「はい?」


大学生くらいで、小さな猫をつれた変な人、ツカサくんの知り合い?


聞いてみたいのに、強張った口が言うことを聞かない。

偶然にしては間が良すぎた。

昨日の、今日。

2日続けてこんなカッコいいヒトたちが、初対面であるはずのアタシに何かを求めてるなんて。
そうそうある話じゃない。

イタズラ。

そう考えて、彼らをグルだと思う方がしっくりくる。


…………ただ、問題は、アタシなんかにイタズラして得する人間は一人もいないってこと……。


「いと賢き我が君。
ゆっくりと思い出されるのがよろしいでしょう。
……扉はもう、開いたのですから」


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