弟、時々恋、のち狼
「運命なのですわぁ」
…………あろうことか。
パパが、ラッラを拾ってきた。
ーーマンションだからペットは禁止!!
そう言ってアタシの嘆願をはねのけてきた本人が
「こんな小さいの、ほっとけないだろ。弱りきってるのに必死ですり寄ってきたんだから。
大丈夫だって。
やっぱマンションも古くなると管理組合もゆるくなるよなぁ」
背広が汚れるのも気にせず、懐に泥だらけの子猫を入れて帰ってきた。
汚れててわかりづらかったけれど、たぶん、茶色のカワイイ子。
パパの手の中でプルプルと震えている。
アタシがこれまでどれだけ我慢してきたか。
笑って誤魔化さないでよ!!
思うけれど、まぁ、それは二の次。
アタシとしては、猫が飼えるならなんでもOK。
…………の、はずだったんだけど。