弟、時々恋、のち狼

「ヒトのスガタも、ケモノのスガタも、ミるモノをミリョウしてヤまない、シコウのソンザイ……」


やはり言っているコトがよくわからない。

ヒトと……ケモノ?


「んーとさ、セイジュウって何?」


息継ぎの隙を狙い、思い切って聞いてみる。

聞いたってロクな答えは返ってこないだろう。
でも、一人で悩むよりはずっとマシだ。


「生き物?だよね?」


根本的な質問にショックを受けているらしいラッラには申し訳ナイが、訊かないわけにはいかない。

普通に考えると……やっぱり、聖獣?
おとぎ話とかに出てくるような?

さっきまであ然としていたアタシを、今度はラッラがあ然と見ている。


「…………ミィ」


がっかりしたように頭を落とす、小さな肩。
ショックのあまり、泣いちゃった?


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