弟、時々恋、のち狼
握った烏龍茶の冷たさが、背筋まで這い上がってきそうだ。
あまり、良くない予感がする。
こうしてロウが話しかけてくるのは、初めてのことだった。
もちろん、あの授業以来、アタシから話しかけたこともない。
正直、近寄りたくなかった。
その思いは今も変わらず……。
「遅かったね~。混んでたの?」
日当たりの良い中庭のテラスでお弁当を広げたいつもの輪に加わりながら、アタシは曖昧な返事を返す。
「あ、今日は烏龍茶の方かぁ」
ポニーテールのユミちゃんが、残念そうな声をあげた。
「今日はいちごオレかと思ってたのに」
その様子に、カナちゃん達がクスクス笑う。
アタシのお気に入り。
いちごオレと、烏龍茶。
自販機でそれしか買わないことを、仲の良い友達だけは知っている。
あまり、良くない予感がする。
こうしてロウが話しかけてくるのは、初めてのことだった。
もちろん、あの授業以来、アタシから話しかけたこともない。
正直、近寄りたくなかった。
その思いは今も変わらず……。
「遅かったね~。混んでたの?」
日当たりの良い中庭のテラスでお弁当を広げたいつもの輪に加わりながら、アタシは曖昧な返事を返す。
「あ、今日は烏龍茶の方かぁ」
ポニーテールのユミちゃんが、残念そうな声をあげた。
「今日はいちごオレかと思ってたのに」
その様子に、カナちゃん達がクスクス笑う。
アタシのお気に入り。
いちごオレと、烏龍茶。
自販機でそれしか買わないことを、仲の良い友達だけは知っている。