弟、時々恋、のち狼
「やっ!!……ちょっと!?」
再び、顔が熱くなる。
呼吸する間もなく、至近距離から、抱きしめられた。
お互いの首筋に顔を埋めるように、きつく、強く。
「間違えるはず、ないんだ……」
………………ロウ?
かすかに、震えた声。
大きな手で頭を抱え込まれ、どうやっても顔を見ることはできない。
それでも伝わってくる、静かな慟哭。
夢の中のミイとロウは、まるで一つの魂を分け合っているかのようだった。
お互い、そばにいることが当たり前で、でも、それは愛とか、そんなんじゃない。
アタシは……この胸の苦しさを、どうすればいいんだろう……。
抱きしめられ、高鳴る胸の切なさ。
どこか奥底から沸き上がってくる、甘く、とろけそうなこの悦び。