秘め恋*story5~車の中で…~





「はぁ?今何て言った?」




そう言って仁王立ちする真奈美は、明らかに怒ってる。



当たり前だよね。


私は次の日、車校の休憩室で車校を辞めないといけないかとしれないと真奈美へ話した。




「ごめんね、割引キャンペーン…あ、その分私お金払うかっ…」



「そんなの!」



「え?」




割引されない分、私がちゃんと支払いするって言おうと思っていたら真奈美が遮った。


見ると、真奈美は少し涙目になっていた。




「お金の事なんて、そんなのどうでもいいよ。私は多香子と一緒に免許取りたいんだよ?」



「真奈美…ごめん。」



「ホントにダメ?もしかして、あの旦那に辞めろって脅されて…」



「ごめん。。」




私がそう謝りながら俯くと、真奈美は静かに
“そっか”と呟いた。


ごめんね、真奈美。
私も一緒に免許取りたかったよ。


でも、私を心配してくれる夫を無視できないよ。



それから真奈美は先に教習へと向かった。



私も、初めての路上教習がある。
柳教官の都合で一時間空くことになってる。



路上教習…出ても意味ないなぁ。
もう辞めるんだし。


はぁ、せっかく仮免取れたのに。



柳教官との教習が楽しい時間になってたのに。
それも今日で終わり…



そう、最後。
だから、うんと頑張ろう。
楽しもう。


柳教官の助手席からの車庫入れ、
目に焼きつけておこう。




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