秘め恋*story5~車の中で…~
いつだったか、私の手首にアザがあるのに気づいた真奈美に問い詰められて、夫からつけられたアザだと漏らしてしまった事が始まり。
時々、真奈美はこうしてお茶をしに来ては、
私へ離婚を勧めてくる。
でも、私がそれは嫌だと言っていつも終わる。
だって、いつだって夫は手をあげてもその後必ず…ごめんと言って抱き締めてくれる。
私は夫から愛されてるんだから、離婚する理由なんてない。
「分かった。今日はその話はやめておく。
でも、免許は取りに行こ!」
「うーん…相談してみる。。」
「絶対よ!何なら、私も言ってあげるから!」
真奈美はそう力強く言うと、“紅茶のおかわり”と話題を変えた。
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その夜、私は真奈美から手渡された自動車学校のパンフを手に遅い夕食をとる夫に話しかけた。
「あのね、ちょっと相談があるの。」
「ん?何?」
「今日真奈美が来てね、これ、誘われちゃったの。」
パンフを夫へと差し出す。
箸を置いて、パンフを受け取った夫。
「自動車学校?」
「うん。お友達プランっていうのがあって、
授業料がすごく安くなるんだって。一緒に通って欲しいって。」
「ふぅ~ん…お友達プランね…」
パンフを開いて色々見ながら、夫は鈍い反応。
ほら、やっぱり無理よ。
「無理よね。真奈美には一緒に通えないって、言ってお……」
私が笑ってそう言おうとした時、ふいに夫が口を開いた。
「多香子は、免許取りたいのか?」
「えっ?」
まさかの問いに、ビックリした声をあげてしまった。
「う、うん。あったら、これから何かと便利だと思うし…取りたい…です。」
この言い方で大丈夫かなぁと恐る恐るそう答えた私に、夫からまさかの返事が…
「今の生活に支障がなければ、
通ってもいいよ。」
「え、通ってもいいの?」
「まぁ、免許があった方が今の時代良いからな。」
「うん。ありがとう。授業料は、私の貯金から出せるから、心配しないで。」
「そうか。分かった。」
また箸を手に、夕食を再開する夫。
改めて、お礼を言った。
「本当にありがとう。」
次の日の朝、早速真奈美に報告した。