秘め恋*story5~車の中で…~





「では、今日は視力検査と能力テストをして今後の教習日程を確認して終わりになります。」




机1つ挟んで、30㎝の距離で淡々と真面目な顔で説明していく柳さん…じゃなくて教官。




はぁ…この恐い教官と卒業するまでずっと教えてもらわないといけないんだよね…




どうしよう。
私、耐えられるのかな…不安しかないよ。




「阿部さん。」



「・・・」



「阿部さん。」



「あ、はいっ。。」




呼ばれていたことに気が付かなかった私は、慌てて返事をして柳教官の顔を見る。



相変わらず、整った真顔。



柳教官は小さくため息をついて、“では視力検査から行きますよ”と言って移動を始めていた。



はぁ、もしかしてもう嫌われてる?



そんな調子で視力検査、能力テストを終えて、
とりあえず車校1日目が終了した。




「能力テストなんて、前で見張られて、集中なんてできるわけないじゃんっ。」



「あははは。」



「“決断・判断力…最悪です。”って、真顔で言うんだよ。ドSだよ。。」



「ウケるわー!」



「笑ってる場合じゃないよー。こっちは!」




車校から出て、すぐのカフェで真奈美とお茶。


早速、恐い柳教官に当たって散々だったことを話すと真奈美は大笑い。



こっちはこれから先が不安でしょうがないって言うのに…






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