秘め恋*story5~車の中で…~
「真奈美、お疲れ様~。」
「お疲れ様!柳教官と仲良くなれたんだ~。」
私と柳教官が2人でいたのを見てたんだろう、
真奈美が少しニヤニヤしながら、隣に座った。
「仲良くなったわけじゃないけど、ちょっと打ち解けたかなって感じ。」
「へぇー、良かったじゃない。
ふふ、見てたら結構お似合いだったわよ。」
「もう、バカ。」
真奈美の冗談に、何故か思いっきり照れてしまった私。
バカバカ。
私なんか、あのイケメン教官とお似合いなんかなれるわけないじゃない。
それ以前に、私には夫がいるんだから。
「今日の晩ごはん、何にしよう。」
気持ちを切り換えるように、私は口に出して、わざとそんな奥さんらしいことを言ってみた。
それから真奈美と車校を出て、途中まで一緒に帰った。
「お似合い…かぁ。」
呟きながら、家のドアを開けた。
こらこら、しっかりしなさい。
奥さんなんだから。
なんて自分に渇を入れて、玄関へと入った。
「え?」
玄関には夫の革靴。
時計を見ると、午後4時。
まだ仕事中のはずなのに。
不思議に思いながら、リビングへと向かった。