先輩と私~ピュア系一途×爽やか系おおかみ~
ただのひいきではなく、公正な判断によって決められたのだと知り、胸につかえていた黒いわだかまりがとれた。
「─…分かった。やれるだけのことはやってみるよ」
そう、親父の目を見て言うと、先程までの理事長の顔は消え去り、親としての顔で微笑んだ。
「今はお前の枷でしかないが、お前の信念に基づいた行動の時には、きっと、そいつが剣になってくれるだろうさ」
「……?」
その時は親父の言っている意味が分からなかった。
─でも、今ならはっきり分かる。
権力や財産に目がくらんだ奴らを引き寄せてしまう面倒で重たいもの。
そのせいで壁を作り、ペラペラの笑顔を振りまくすべを身につけてしまったけど。