先輩と私~ピュア系一途×爽やか系おおかみ~
紘先輩
─全てを話し終えると、先輩はずっと私の肩に乗せていた頭を上げ、正面から向き合った。
「先輩………」
こういうとき…なんて言うのが正解なんだろう…。
そう思い悩んでいると、苦笑しながら先輩は言った。
「…ふふっ、いきなりでびっくりしちゃうよね。でも、全部ほんとのこと」
そういって先輩が浮かべた笑顔の中には様々な感情が入り乱れていた。
「あの…」
「ん?」
「ひ…紘……先輩…」
「……え…」
─無性に名前を呼びたくなったのは、きっと先輩の内側を知ったから。
今までたくさんの時間を過ごしてきたけれど、先輩自身のことを知ったのはこれが初めてだった。
そのせいか、今まで先輩とはどこか壁を感じていて、繋がってるのに、どこかで離れた距離を感じていて。