先輩と私~ピュア系一途×爽やか系おおかみ~
先輩と私
二人で…
怒涛の修学旅行から一週間経ち、また普段の生活に戻った私たちは相変わらず部活を全うしている。
「穂和ーそこの棚にアレある~?」
「ティーカップですか?」
「ふふ、さすが穂和。好き。俺が何も言わずとも分かるところも、ずっと敬語なままのとこも」
「また言ってる……」
あれから、先輩は何かと私に好きだ好きだと言い、からかってくる。
「そんなに言わないでください…っ」
先輩ご所望のティーカップを渡すと、にっこり笑って首を傾げる。
「え?なんで?」
絶対分かってやっている、と毎回思う。
「先輩…ちょっといじわるになりました…」
「穂和は言うようになったねぇ」
「…いや、……ですか?」
「ううん、すごい嬉しい。また一つ近づいた気がするんだ」
「…!わ、私もです…」
照れくさいセリフが日本一似合うのはきっと紘先輩だとつくづく思う。