先輩と私~ピュア系一途×爽やか系おおかみ~
吐息混じりに、先輩が話しかけてくる。
私は口にすることなく、心で先輩に返答した。
…久しぶりです、先輩…。
何も言わない私に先輩は、怒ることも、気にかけることもなく、そのまま話を続けた。
「昨日、部活来なかったね」
決して声を鋭くすることなく、ただいつもの会話と変わらない声色で話す先輩の優しさに、再び視界がぐにゃぐにゃと歪む。
「穂和ちゃんのことだから、多分、何かあったのかなぁ…って思ってるけど…」
思った通りに優しい先輩に、涙が溢れると同時に、懐かしい気持ちがふわりと灰色の心に色を差す。
「だからね、昨日部活が出来なかった分を、今やろうと思って会いに来たんだ」