先輩と私~ピュア系一途×爽やか系おおかみ~


伝えなきゃ。


ずっとずっと言えなかった想いを…。



先輩は全部話してくれた。



今度は、私が言わなくちゃ…!



「─あのっ!わ、わたしっ…!!」


緊張やら何やらで、つっかえてしまう私に、先輩は優しく呼びかける。


 

「ゆっくりでいいよ。いつまでも待つから…」





柔らかに微笑みかけてくれる先輩に、思わず泣きそうになった気持ちを一生懸命抑えて、震える声で、私は精一杯伝えた。





「わ、私、あの日から…初めて会ったときから先輩のことがずっとずっと好きなんです!!」





「…えっ………初めてって……」




ゆっくりと、先輩の目が見開いていく。





「先輩、私こそ黙っていてごめんなさい…。私、先輩のこと忘れてなんかいませんっ!だって…だって、あの日から、先輩が私を助けてくれたときから先輩のことがっ──わぁ!」






あとの言葉は言えなかった。



< 64 / 184 >

この作品をシェア

pagetop