高く澄んだあの空の色は
第1章~春~
「まぁ、よろしく?」
「…ない……」
もう一度、何度も何度も目を凝らして見つめてもそこに名前は無かった。
「…名前、ない……」
でかでかと校門に貼られた白い紙。
〔1-1〕と書かれた欄の下に私の名前、
「如月 蒼」はあった。
しかし何度見直しても彼の名前はない。
「う、そ…」
心臓が激しく暴れ出した。
ずっと、ずっと、同じクラスと思っていたのに。
恐る恐る〔1-2〕の欄を見た。
そこにも彼の名前はない。
彼の名前、「宮地 隆介」は〔1-3〕にあった。
暴れている心臓が、一気に締め付けられ、凍ってしまったように感じた。