高く澄んだあの空の色は
第1章~春~

「まぁ、よろしく?」



「…ない……」


もう一度、何度も何度も目を凝らして見つめてもそこに名前は無かった。


「…名前、ない……」


でかでかと校門に貼られた白い紙。

〔1-1〕と書かれた欄の下に私の名前、
「如月 蒼」はあった。


しかし何度見直しても彼の名前はない。


「う、そ…」


心臓が激しく暴れ出した。

ずっと、ずっと、同じクラスと思っていたのに。


恐る恐る〔1-2〕の欄を見た。

そこにも彼の名前はない。


彼の名前、「宮地 隆介」は〔1-3〕にあった。

暴れている心臓が、一気に締め付けられ、凍ってしまったように感じた。

< 3 / 7 >

この作品をシェア

pagetop