高く澄んだあの空の色は
近くに、機嫌の良さそうな親友の姿をとらえた。
「あ、まね……。」
うまく働かない脳を無理やり動かし、口を開いた。
出てくる声はとぎれとぎれで、なんとも頼りないものだった。
「教室、あがろっ、か…?」
ひきつった顔で、なんとか笑みを浮かべることができた。
悟られることのないように。
「おー、あがろー。てかまた蒼と同クラじゃーん。」
神代天音(カミシロ アマネ)は何ら気にすることなく進んで行った。
しかし私の沈みきった心はそれについていくことが出来ない。
隆介と違うクラスだった。
好きで好きでたまらない、あの隆介と違うクラスになってしまった。
酷く憂鬱で、消えてしまいそうになった。