虹の橋‐ポッキーの日短編小説‐
待ちわびた日
11月11日。


紅葉は見ごろを迎え、朝晩の肌寒さにコートの襟を立てる季節。


あたしはこの日をずっと楽しみに待っていた。


あたし、戸町柚花(トマチ ユズカ)16歳。


高校2年生。


街の中を歩けばあちこちのお店で賑やかなクリスマス用品が売りだされている。


少し前に終わったハロウィンのカボチャの置物は、店の片隅でワゴンセール品として値下げされ、


なんだか寂しそうな表情をしているように見える。


あたしは


「ごめんね」



と呟いてハロウィンのカボチャの前を通り過ぎ、真っ直ぐにクリスマスの装飾コーナーへと足を進めた。


赤、白、緑。


クリスマスカラーに彩られている店内で目がチカチカする。


沢山ある装飾品で迷う中、あたしは赤と白の丸い玉を手に取った。
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