虹の橋‐ポッキーの日短編小説‐
まるいチョコケーキの上にお月さまの形をしたオレンジゼリーが乗っている。


あたしは鼻歌を歌いながら、『ムーン』の扉を開けた。


カランカランと明るい音色の鈴が店内に鳴り響く。


と、同時に見慣れた店員さんが笑顔を向けてくれる。


「こんにちは!」


元気に挨拶をすると「こんにちは、すごい荷物ね」と、あたしの手元を見て目を丸くされてしまった。


「えへへ」


「今日は彼氏の誕生日なんだよね? ケーキの準備はできているわよ」


そう言い、一旦奥に入って注文していたケーキを持ってきてくれる。


カウンターの上に置かれた2人用の丸いケーキに、あたしは目を輝かせた。
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