虹の橋‐ポッキーの日短編小説‐
部屋の壁まで歩き、電気を消す。


外がまだ明るいから電気を消してもそんなに暗くはならないけれど、雰囲気は出た。


嵐の隣に戻り、ロウソクのオレンジ色の炎を見つめる。


ユラユラと揺れる炎は、ロウを溶かしていく匂いがする。


「綺麗だな」


「うん」


あたしは頷く。


なんとなく、静かな雰囲気に包まれる。


「う、歌おうか?」


あたしは咄嗟にそう言っていた。


「へ?」


嵐が首をかしげてあたしを見る。


「ほら、ハッピバースデートゥーユーってやつ!」
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