虹の橋‐ポッキーの日短編小説‐
☆☆☆

それからあたしたちは時間が経つのも忘れて嵐の誕生を祝った。


他愛のない学校生活の話題だったり、最近人気のアイドルの話しだったり。


嵐に聞かせたいことが沢山ありすぎて、ほとんどあたしが話していた感じだ。


それでも嵐は楽しそうに相槌をうってくれたり、時々声をあげて笑ったりしてくれた。


「なぁ、柚花。ポッキーもうないの?」


会話がひと段落した所で嵐がそう聞いて来た。


「《ムーン》でもらったポッキー?」


「そうそう」


「まだあるよ」


そう答えると、あたしは机の引き出しにしまっておいたポッキーを取り出した。


「一本くれる?」


「うん、いいよ?」


嵐ってポッキー好きだったっけ?


そう思いながら袋からポッキーを取り出す。


嵐はポッキーの片方を口にくわえたまま「ん」と、言ってきた。
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