虹の橋‐ポッキーの日短編小説‐
気が付けばポッキーは小指の爪ほどの長さになっていて、あたしの前髪と嵐の前髪が触れ合った。


互いの息がかかる。


そして……チュッと小さく音がして唇同士がぶつかり合う。


その瞬間、あたしはパッと身を引いていた。


「ハハッ! 顔真っ赤」


嵐があたしを見て笑う。


「うぅ~」


なにか反撃してやりたかったけれど、ポッキーのほとんどをあたしが食べたため、口の中が一杯になっていた。


「なんだかんだ言って、ポッキーゲーム好きなんじゃん」


「ち、違う!」


口の中のポッキーをようやく飲みこんで、慌てて否定する。


あれは、あたしは食べなきゃ終わらないから頑張って食べただけだもん!
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