虹の橋‐ポッキーの日短編小説‐
そこには心配そうな顔をする両親。


そしてテーブルの上に1つ残された《ムーン》のケーキと、誕生日プレゼントの財布。


嵐は確かにここにいた。


ついさっきまで、ここにいた。


「ふぇ……っ」


気が付けばまた涙が流れ出していた。


微かに残っている嵐の香り。


開けられたポッキーの袋。


「お墓参りに行こうか、柚花」


お母さんがあたしの頭を撫でながら、そう言った。
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