虹の橋‐ポッキーの日短編小説‐
☆☆☆

あたしの彼氏。


千歳嵐(チトセ アラシ)は半年前、交通事故で死んだ。


他県で行われたバスケ部の練習試合の帰り道、みんなで乗っていたバスが高速道路で横転したのだ。


それは風がとても強い日で、台風が近づいていた。


四角い形状をしていたバスはその風にあおられたのだそうだ。


横転したバスに次々と突っ込む車。


計6台の車が絡む大事故に発展した。


それはニュースでも多く取り上げられ、全国的に話題を呼ぶことになった。


まさか、その中に嵐がいたなんて。


テレビのニュースを見ながら、あたしはどこか遠い世界の出来事のような気がしていた。


嵐が死ぬなんてありえない。


そんな身近な人の死なんて、あたしにはリアルじゃなかった。
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