虹の橋‐ポッキーの日短編小説‐
夢の中の嵐に、あたしはここぞとばかりに怒鳴った。


寂しい事。


悲しい事。


生きて行く事に疑問を持ち始めている事。


すべてを嵐にぶつけたんだ。


「ごめんな、急にいなくなって」


嵐はそう言い、あたしの頭を撫でてくれた。


いつもしているように、あたしをなだめるように。


「11月11日、なんの日だから覚えてる?」


そして、あたしにそう聞いて来たんだ。


「……嵐の誕生日?」


「当たり! その日には、戻ってくるから。だから、11日だけは一緒にいよう?」


そう言って嵐は笑ってくれた。
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