クローバーリアルライフ

教室には女の子は一人も居ない。
男の子はまあまあ。
中心にひっくり返っているのは一台の机とイス。
紛れもなく私の机。私のイス。
その意味が分からないほど、私はバカじゃない。
男の子は、元の所に戻して落書きを消してくれる時がある。
今日も、何人かが元の場所に戻そうと机の周りに集まっていた。
一人は、真新しい濡らした雑巾をもって。また一人は皆に協力を促して。
純粋に、嬉しい。最初にみたときは涙がでた。
秋音ちゃんとも同じクラスだが、秋音ちゃんは強い。
というか、眉目秀麗才色兼備という完璧なる尊敬にあたいするスキルを兼ね備えているのでこういったことはない。
何より性格もしっかりしている。
私とは大違いだ。
そう、私だけ。
私だけ、凡人。
良いとこ無しの、穀潰しと言ったところか。
だから、こんな私がいつも三人と一緒にいてもいいのかと考える。
毎日、考える。
「.....ぐむ?」
――「...めぐむ!」
「え?」
「え?じゃないよ~!大丈夫?」
「あ、ああ、うん大丈夫」
「やっぱり精神的にツラいよね、私やっぱり女子どもに言っとこうか?」
ああ、優しい。
だからこそ、迷惑を掛けたくないんだよ。
「ありがと...でもこれは、私の問題だから...迷惑なんて掛けらんないよ。」
――これでいいんだ。
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