クローバーリアルライフ
ごたごたして、秋音ちゃんと話をしながら学校へ歩き始めた頃。
「おーい!」
と、威勢のいい声が私たちを呼んだ。
振り返れば、ニコニコ顔で走ってくる男子と、本を読みながら無表情でスタスタと歩いてくる男子の二人組が。
秋音ちゃんが、「遅い!」って腕を組む。
「ごめんごめん!今日俺寝坊しちゃってさ~...」
「もう!いっつも寝坊して!もう置いてくところだったんだから!」
「だってさ~...」
「言い訳しない!」
朝から秋音ちゃんに怒られてげんなりしている遥――ハル君に同情しながらも、私は遅れてきたもう一人の男子――奈月に声を掛ける。
「奈月、おはよう」