変わっていく~君と私~
1st
[姫奈side]
あたしがあの生活から逃れられたのは
確か中一の終わり位だった。
どん底に居たあたし。
今は頂点に君臨している様な気分。
「行ってらっしゃいませ、姫奈お嬢様」
そう言ってあたしに頭をさげる執事。
別に不満はない。
でも、すごく退屈……。
あたしが通っているこの高校は、
“お金持ち“
という称号を持っている人しか通えない。
でも、普通の学校と何も変わらないと思う。
パチっ
目が見えない……。
「だ~れだっ!」
この明るい声、ローズの香り。
「結奈。手どけて。」
目の前が明るくなる。
「んも~。すぐ当てないでよー!面白くないな……。」
ヒョコっと横から顔を出したこの子は。
背が小さいながらに、
頭の上にあるお団子がチャームで
黒目がちの目、薄い唇、小さな顔。
大手石油会社の社長令嬢、
朝霧結奈(あさぎり ゆいな)