大好き以上になった場合


中にはヒソヒソと話している人もいる。

今まではミサとエミが守ってくれたけど、その友達も離れていった。

芽衣はその場で立ちすくむ。

すると、男子から声が上がった。


「ねぇ、他の男と寝たのに、今度は親友の好きな人と寝てきたの?」

「違うっ!!!」


反射的に声が上がった。

その声は静かになった教室に響き渡った。

そして口々に男子生徒は芽衣を罵り始めた。


「じゃあ、何してたんだよ。つーか、その腕の包帯何。リスカでもして彼氏に甘えてたんじゃねぇの?」

「俺のもくわえてよ!」

「お前さ、ミサがどんな気持ちかもわかんねーの?」

「しねよ、まじくんな。」

「くそビッチに居場所はありませーん!」


芽衣は自分の席を見ると、A4の紙の上に「ビッチ帰れ」という文字があった。

その紙を掴んでくしゃくしゃにし、ゴミ箱に捨てた。

ミサはただ、なにも言わずにずっと芽衣を睨み続け、女子は冷めた目で芽衣を見た。


――――――この教室に居られない。


そう思った芽衣は、走って教室から逃げ出した。



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