あの夏で待ってる
あの夏で待ってる
1.山神の杜(モリ)
「お爺ちゃんの言うことちゃんと、聞くのよ?」
「うんー!」
「ハンカチ持った?切符は?履歴書とスーツの靴は?まさかあんたそれで!?」
お母さんは、私の持っている黒いバックを目を見開いて見つめる。
はあ……お母さんったら心配症なんだから。
「大丈夫!ちゃんと黒いの入れた!」
「新幹線に荷物忘れない様にね。うとうとして乗り過ごしたらだめよ?」
「分かってるよー、毎年行ってたんだから大丈夫だって!」
私は家のドアを開けながらお母さんの方に振り返る。
「ほら、ちゃんと帽子かぶってー、熱中症になるよ?」
うちの親はどこまで心配症なんだろ。
「いいってばー、大丈夫」
私、これで大丈夫言うの何回目だろ……
家から出て、お母さんに手を振った。
「いってきまーす!」
・・・・
走って家の近くにあるバス停まで向かう。
あー、暑いなあ。
そんなしょーもない事を、思い浮かべながら。
バス停まで、着くと青いベンチに自分の荷物を置いて一息。
空を眺める。
なんて、広いくて青い空なんだろう。
これを思うのも何回目だろう。
ふと、昔のことが脳裏にのよぎる。
そう、彼に初めて出会ったのは……
私がまだ6歳の時でした。
「うんー!」
「ハンカチ持った?切符は?履歴書とスーツの靴は?まさかあんたそれで!?」
お母さんは、私の持っている黒いバックを目を見開いて見つめる。
はあ……お母さんったら心配症なんだから。
「大丈夫!ちゃんと黒いの入れた!」
「新幹線に荷物忘れない様にね。うとうとして乗り過ごしたらだめよ?」
「分かってるよー、毎年行ってたんだから大丈夫だって!」
私は家のドアを開けながらお母さんの方に振り返る。
「ほら、ちゃんと帽子かぶってー、熱中症になるよ?」
うちの親はどこまで心配症なんだろ。
「いいってばー、大丈夫」
私、これで大丈夫言うの何回目だろ……
家から出て、お母さんに手を振った。
「いってきまーす!」
・・・・
走って家の近くにあるバス停まで向かう。
あー、暑いなあ。
そんなしょーもない事を、思い浮かべながら。
バス停まで、着くと青いベンチに自分の荷物を置いて一息。
空を眺める。
なんて、広いくて青い空なんだろう。
これを思うのも何回目だろう。
ふと、昔のことが脳裏にのよぎる。
そう、彼に初めて出会ったのは……
私がまだ6歳の時でした。
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