さっちゃん
「こんにちは。さっちゃん。

ようこそ私の家へ。」

さっちゃんはびっくりしました。

そうです。

この家はさっちゃんが持っている

このお人形さんの家だったのです。



「どうぞゆっくりしていってね。

もうすぐみんなが来ると思うわ。」

お人形さんの女の子はそう言って

お茶をついでくれました。

さっちゃんはびっくりしましたが

でもかわいいお人形さん

ほしくてほしくてたまらなかったお人形さんが

目の前にいて

話かけてくれて

お茶をついでくれたので

とても幸せでした。



お茶を飲み終えた頃

女の子のお人形さんが来たほうから

今度はクマのぬいぐるみや兵隊のおもちゃ

お姫様の人形や

ブリキの人形がぞくぞくやってきて

たちまちにぎやかになりました。


 こんにちは。さっちゃん。
 
 こんにちは!こんにちは!


実はみんな

さっちゃんが持っている

お人形やおもちゃだったのです。



「すごいわ!みんなが動いている!」

さっちゃんはとてもうれしくてうれしくて

みんなとたくさんお話しました。


途中で、王子様のお人形さんが

さっちゃんをダンスに誘いました。

さっちゃんはダンスなんてしたことがないので

断ろうとすると

赤い靴が勝手に動き出しました。



それはきれいなステップで

さっちゃんはとても上手に踊っていました。

さっちゃんは

時間も忘れて

楽しいひと時を過ごしていました。



すると


ぎゅるるるぅぅぅ


さっちゃんのお腹のムシが

突然なりました。



「そういえば

昨日から何も食べていないんだった。

お腹がすいたわ。」


 じゃあ、次の場所に行きましょう。


赤い靴が言うやいなや

またあのスピードで

さっちゃんは不思議な空間にいました。
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