好き、好き、大好き
坂口あい。それがうちの名前
うちには好きな人なんていない。
だから周りにだんだん彼氏ができていくと
なんとなくだが焦りを感じる。
だが、うちには『好き』なんていう感情なんて
身に覚えのないものだ。
だけど、男友達はたくさんいる。
その中でも幼馴染で昔から仲が良かったのは魁だ。
スポーツだけが取り柄のただの馬鹿。
テストの点数なんて一度もうちは負けた事がない。
「ほんまの力出してないんじゃ」
何て事を、テストが返ってくるたびに言っていた気がする。
そのたびにうちは
「嘘つけ」
と口をツンと尖らせていた気がする。
今中学2年生の春、不安と期待を胸に抱いてクラス表をまじまじと覗う生徒達。
その中うちはというと、いつもみたいに
『どうせまた、魁と同じやろ』と思いながらクラス表を覗いた。
―やっぱりか、―
うちは出席番号を確認して
これから1年をともにする教室へ向かった。
教室の扉を開けようと扉に手を掛けたその時
「あい!」
「唯」
そこにおったのはこれまたずっと同じクラスの唯。
目が大きくて、背も小さくて妹みたいに可愛いのに成績も優秀だった。
そんな唯がうちは大好きやったし、友達として尊敬していた。
「また同じやねっ!魁もやろ?」
「そうなんよね・・・・だるいわ」
「ええやんか!あんたら見とったら何か安心するし」
「どこがじゃ」
「春が来た感じ」
「あほか」
うちは唯のボケを簡単に流して、自分の席に座った。
2年生という気がしない。
まだ1年生の気分や。
ぁあ、何だか眠い。何でじゃろ?
そうか、春がきたからじゃ。
よく分からない自問自答を繰り返していたその時、
「あい」
「・・・・っげ」
「『っげ』って何それ!相変わらずうぜぇ奴じゃな!」
「あんたに言われたくない」
「俺もチビだけには言われたくねぇわ」
「ありえん」
これにまた1年耐えなおえんなんて・・・
「死んでまう」
「死んでしまえ」
「黙れ、かす」
うちらの言い合いは続いた。
うちには好きな人なんていない。
だから周りにだんだん彼氏ができていくと
なんとなくだが焦りを感じる。
だが、うちには『好き』なんていう感情なんて
身に覚えのないものだ。
だけど、男友達はたくさんいる。
その中でも幼馴染で昔から仲が良かったのは魁だ。
スポーツだけが取り柄のただの馬鹿。
テストの点数なんて一度もうちは負けた事がない。
「ほんまの力出してないんじゃ」
何て事を、テストが返ってくるたびに言っていた気がする。
そのたびにうちは
「嘘つけ」
と口をツンと尖らせていた気がする。
今中学2年生の春、不安と期待を胸に抱いてクラス表をまじまじと覗う生徒達。
その中うちはというと、いつもみたいに
『どうせまた、魁と同じやろ』と思いながらクラス表を覗いた。
―やっぱりか、―
うちは出席番号を確認して
これから1年をともにする教室へ向かった。
教室の扉を開けようと扉に手を掛けたその時
「あい!」
「唯」
そこにおったのはこれまたずっと同じクラスの唯。
目が大きくて、背も小さくて妹みたいに可愛いのに成績も優秀だった。
そんな唯がうちは大好きやったし、友達として尊敬していた。
「また同じやねっ!魁もやろ?」
「そうなんよね・・・・だるいわ」
「ええやんか!あんたら見とったら何か安心するし」
「どこがじゃ」
「春が来た感じ」
「あほか」
うちは唯のボケを簡単に流して、自分の席に座った。
2年生という気がしない。
まだ1年生の気分や。
ぁあ、何だか眠い。何でじゃろ?
そうか、春がきたからじゃ。
よく分からない自問自答を繰り返していたその時、
「あい」
「・・・・っげ」
「『っげ』って何それ!相変わらずうぜぇ奴じゃな!」
「あんたに言われたくない」
「俺もチビだけには言われたくねぇわ」
「ありえん」
これにまた1年耐えなおえんなんて・・・
「死んでまう」
「死んでしまえ」
「黙れ、かす」
うちらの言い合いは続いた。