好き、好き、大好き
中学校でいう朝の会。
ただボーっと席から見える外を眺める。
ぁあ、先生の話が長い。
いちいち今年の抱負とか言わんでぇえから
とっととこの朝の会とやらを終わらしてくれ、と
イライラしながらうちは先生を睨んでいた。

「あい!」

やっと朝の会も終わって、イライラも消えたとこなのに
どうしてこいつはこんな時に限って現れるのだろうか、

「何?」

「何イライラしとったん?後ろから見ててもイライラオーラが見えてたで」

「イライラするもんはイライラすんじゃい」

「ふーん、そんなもんか?ただ単にあいが短気なだけやろ」

「黙れ」

「ほれ、またキレた」

ぁあ・・・・・腹立つ
この場から離れたい、その一心でうちは教室から出て行った。

「ぁーあ・・・また怒らしてしもうた」

「夫婦喧嘩もそこそこにね」

「夫婦じゃねぇし!」

「はいはい」

「っくそ・・・・・」

魁は髪の毛をくしゃっと掴み
自分のなかにあるおかしな思いを必死で抑えた。
あいの背中を見るとなぜか心がもやもやする。
何じゃろ・・・・気持ち悪っ・・・
魁は自分の友達のもとへ走って行った。

「ぁー・・・・イライラする。新学期早々こんなん最低やん」

魁に言われた事は図星だ。
うちはただ単に短気なんや。

「・・・・直さなな・・・」


気分を変えよう。前髪を全部上げよう。
そうしたら前がよく見える。
イコール視野が明るくなる。
自分なりの気分転換。ある意味で。

うちは前髪をピンで留めて、『よし』と一声発して
トイレから出て行った。

―キィ・・・―

「あい」

「唯?どしたん?」

「魁が寂しそうやったで」

「どうして?」

「自分でよう考えたり?」

「分かった」

性格も直そう。
その為に魁に謝ろうかな、
今年は自分を綺麗な心にするように
努めなくては、そう思って教室に入ると
魁は後ろで他の男子と話をしている。
こういう時に限ってうちの傍にいないんよね、ぁあ、めんどくさい
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