妖怪だらけの飼育部×天然美少女

ーガラッ……

「ただいまー」
「おかえりなさいませ,お嬢様」

出迎えはいつも通りに終がしてくれる。

「終,今日の予定は?」
「…依頼が来てますので,それをこなせとの事でございます」

終のその言葉に障子越しから外を見る。

「今は,黄昏時か……その依頼とやらは?」

終は声を低くして,私にしか聞こえない声を出す。

「…を殺せとの事」
「何っ!?…妖を?」
「はい」
「なんか,その依頼可愛くね?」
「普段より比べたら,確かに可愛い物だと思います」
「うん,だよね」
「ですが,取り付かれた人間ごと殺せとの依頼ですので残酷かもしれませんが我慢をなさって下さい」
「大丈夫だよ,喧嘩もそうだけどさ,殺しもやって来たんだから」

そうだよ,喧嘩と殺しを両立して来たんだもの。

「『青水龍』の総長がこんな所で弱ってたなんざ知られたら笑われ者だ」
「お嬢様……」
「楽に逝かせてやらぁ」

ニヤリと不敵に笑うと着物に着替える。
黒い着物に袴を着れば高い所で髪を括る。

「お嬢様,これでお顔を隠して下さい」

狐のお面を渡されて私は狐のお面を付ける。

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