妖怪だらけの飼育部×天然美少女
「あはは、謝るから許してよ~」
ニコニコしながら、言われてもなぁ…。
「おい、勇斗」
困っていると、勇斗先輩を呼ぶ声が聞こえた。
「あ、見つかっちった☆」
勇斗先輩がペロッと舌を出した。
「雅也が呼んでたぞ、あと、一年を困らすな」
「え~?困らせてなんかないよ~!」
近づいてくる人に頬を膨らましながら、勇斗先輩がそう言うと彼は呆れていた。
「…なんかすまんな、えっと……」
「あ、中沢奈央です」
「奈央か…俺は玖狼直樹(くろう なおき)、よろしく」
「はい」
「ねぇ、僕を無視しないでよ~!」
「なら、行くぞ」
「はぁ~い、まったねぇ~奈央ちゃん」
手を振りながら笑顔でそう言う勇斗先輩。
「いや、もう来ないで下さい」
「酷いよぉ~」
「泣いてるフリしても効きませんからね」
今まで、それで何回騙された事か…。
むくれていると玖狼先輩が思い出した様にこちらを振り向いた。
「もし、また勇斗が困らせたらC棟にある飼育部まで来ると良い…俺も雅也もいる」