妖怪だらけの飼育部×天然美少女

ぷんぷんっ!って効果音が付きそうな怒り方をしたので、お前はもう高校生だろ…と思い、呆れた。

「…なんかすまんな、えっと……」
「あ、中沢奈央です」
「奈央か…俺は玖狼直樹(くろう なおき)、よろしく」

お互いに自己紹介した後、勇斗を連れて雅也の所へ行こうとした。
けど、彼女に勇斗が何かしたら飼育部に来ると良い、と言ってから勇斗を雅也の元へ連行した。

「可愛かったなぁ~♪」
「あ?」

連れて行く時、不意に勇斗がそう言った。

「あ、直っちじゃないよ~?」
「知ってる…で、誰が可愛かったって?」
「奈央ちゃんに決まってるじゃん~♪」
「ふーん…」
「直っちも思ったでしょ~?」

少し挑発のような悪戯な笑みを浮かべるこの兎にイラッとしたのは言うまでもない。
奈央か…確かに可愛かったかもしれないが、俺は他に想っている奴が居る。

「さぁな」
「あーっ!またそうやって誤魔化したぁー!もぉー!」
「お前に本心を言ってどうする」
「えっ?奈央ちゃんの事が気になったって言ったら、殴っちゃいそうかな★」
「…」

この兎怖いな…。
こいつには本心は言うまいと再び思った。

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