妖怪だらけの飼育部×天然美少女
「ふふふっそう言ってくれると思ったよぉ~じゃあまた放課後ねぇ~」
そう言って手を振りながら去っていく笑顔は、それはとてもとても良い笑顔でしたよ、えぇ。
さっきの有無をも言わせないドス黒い笑顔を出せるような人には見えないほどにね…。
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…そうだ、私はあの腹黒…じゃなくて、勇斗先輩の誘いに敵わなくてここまで来たんだった…。
「はぁ…」
お陰様で溜息しか出ないよ。
勇斗先輩のあの笑顔に勝てる人、雅也さんと玖狼先輩以外に居なさそう…。
誰か勝てる人が居れば私と代わって下さい、お願いします。
まぁこんな所でうじうじしていても変わらないし…腹括っていくか…。
目の前にあるドアをノックする。
「どうぞ」
中から雅也さんの優しそうな声が聞こえる。
それだけで緊張が解れる。
「失礼します」
ドアを開け、中を覗く。
雅也さんが私に気付き、ふわりと花が咲いたように微笑む。
あぁ…優雅で美しい笑顔だ。
「ふふ…待ってたよ、中に入っておいで?」