commonplace
心臓がドクンと音を立てるのがはっきりとわかった

あの彼と目があった

「ここいいですか?」

俺はなぜか声のボリュームを間違えて変に大きく言ってしまった

「いいっすよ」

笑顔で答えてくれて荷物までのけてくれた

横にあの憧れの彼が

その彼の服はジャージだった

プーマのジャージ

そのジャージが体育会系っぽくてカッコイイ


バスは高速道路に入った

隣の乗客たちはコックリと船をこいでいる

でも俺は緊張しすぎて眠れない

胸が苦しい

ドキドキしすぎて眠れない

そのとき 彼の頭が俺の肩にあたる

船をこいでいる

すごくいい匂いがした

さわやかな香り


このまま時間がとまってほしい
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