ホストNo.1男子と甘い同居生活。
窪野さんが、大口で笑った。
「何今の、小動物みたいな音」
「お腹の…音です」
「ほんっと、可愛い。お腹空いたならそー言ってよ」
「兄が…、怒るから…。我慢しろって」
「…そうなの?」
「はい…」
(って、何でしんみりさせちゃってんの…。
私ってばやっぱり、都会に出ても心は貧しさを持っている。
裕福な気持ちなんて分からないし…)
「分からないことだらけだと思うけどね。
俺にはせめて、遠慮しないでいいから」
「窪野さん…」
「ほら、お弁当買って電車乗るよ」
「はいっ」
カレの後ろをついていくと、人が物凄く多くてはぐれそうになった。
「嫌だと思うけど、我慢して」
ばっと抱きかかえられる。
「っ…」
ただ、我慢して俯いた。
窪野さんの匂いとか、周りの目とかが色々眩しかった。