ホストNo.1男子と甘い同居生活。


私はホットドックというものを、1口頬張った。

「ふぁい?」

「…もしだよ?」

「?」

窪野さんは食べる手を止める。

私は不思議そうに見つめた。

「俺が本当はあゆちゃんを引き取る、役目だった。

そういったらどうする?」

「…え?」

いつになく、窪野さんの声は震えていた。

(この雰囲気…、もしじゃなくて真実の話だ)

そう直感で分かった。

「まず理由を聞きますね」

「…そうだよね。あ、そっち貰っていい?」

「どうぞ」

私の方が甘口のホットドックらしく、私も1口もらった。

「窪野さんは嘘が下手ですね」

それだけを言って、食べきった。

「え?」

「そのまんまの意味ですよ」

< 54 / 330 >

この作品をシェア

pagetop