ホストNo.1男子と甘い同居生活。


もし、藍じゃなくて窪野さんが引き取っていたら…?

それはきっと私も、どうすればよかったのかなんて分からない。

だけどいつも、窪野さんといる。

私は結局どうしたらいいのか、そういう判断が出来ない人間だ。

「窪野さんは、嘘じゃなくて本当を喋ったほうがいいと思います。

本当は辛いくせに」

言い当てるように言うと、

「はは…、言うようになったじゃんか」

そう泣きそうな顔で笑った。

「そうだね。俺は嘘が下手だよ」

「私は誰に引き取られても、何の感情を持たない人間なので安心してください」

一時期、藍に対して好意を抱いていた。

だけどそれが恋愛感情かは、分からない。

ただ、兄への依存が藍に傾いただけかも知れないし。

「窪野さん、また美味しいもの買って下さいね」

「いいよ。勿論、じゃあさ今から近場の食べ歩きする?」

「はい!」

藍も別行動しているし、夕方自宅集合ということにした。

「あ、はぐれないように手。繋いでいい?」

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